12月21日 2016年度第10回審判セミナーが松本平広域公園総合球技場アルウィン会議室にて行われました。
今回は、3・4級審判更新講習会を兼ねての開催となりました。
講義
今回講義の担当は大峡さんです。今回のテーマは、ゲーム分析と評価です。
今回の講義の目標は、「ゲーム前の準備とゲーム分析」 です。
講義内容
- チーム(選手、監督、コーチ)の試合に懸ける思い(動画)
- 審判員の試合に向けての準備
- 10問小テスト
- ゲーム分析及び評価(反省会でのポイント)
- まとめ(PDCAの実践)
1.チーム(選手、監督、コーチ)の試合に懸ける思い(動画)
動画を視聴しながら、ロッカールーム内での監督、選手など試合に懸ける想い、ロンドンオリンピックでのなでしこ宮間キャプテンの想いなどを紹介。
審判員として、任された試合を担当するにあたりどのような準備もしくは姿勢で審判を行いますか?
ただ割り当てられたから! 無難に行おう! ただ何となく!・・・では困りますよね!
チームはこの試合に懸ける想い(試合に勝つための準備)を真剣に向き合っています。
審判員も準備の必要性を理解して下さい
2.審判員の準備《一例》
◇大会・チーム・選手
- 大会の種類(リーグ戦ORトーナメント)及びレギュレーションの確認
- 前回の対戦結果は
- キープレーヤー(主力選手の把握、badnessな選手(よくファウルする選手・異議をいう選手(チーム役員も同様)の把握)
- チーム戦術は
◇自身(審判員)
- 前回の反省・課題の整理
- 計画的なトレーニング(フィジカルの強化)
- 競技規則の補習(トーナメント同点⇒PK戦の場合 手続きの整理(人数)など
- この試合の目標、留意する点の整理および明確化
- 審判服、用具の確認(時計の電池など)及び整備
◇その他のコンディション
- 会場について(場所、フェンスの高さ(ボールコントロールの必要性)、観客席など施設の配置など
- 自宅出発時間の確認(長野県はキックオフ90分前集合)
- 当日会場の天気予報の把握(雨・雷・風 それぞれの予想及び対応をシミュレーション)
※上記は一例です。あくまでも目安として参考にしてください。
※インターネットで事前に情報を把握することが可能ですし、当日確認することも可能です。
3.10問小テスト
「競技規則2016/17 p.221」対角線式審判法(利点)から出題されました。
4.評価・反省会のポイントおよび自己分析
審判アセッサーは、競技規則の奥付(最後)付近に「審判アセスメント報告書」長野県の派遣審判員(Kickoff(同等の内容)にて公開)にて評価されます。詳しくは参照ください。
しかしながら、自分の評価のために審判を行うわけではありません。
目の前のゲームを「やりきる」ことが大切です。この試合に懸けるチーム(選手)に応えるためにも
評価について《A1判定 判定の的確さ、一貫性》
評価について特に「判定」についてフォーカスしました。
89分それまでは、正しい判定を行っていても残り1分でゲームを左右する場面でのペナルティエリア内での判定を間違える(動画参照)とそれまで積上げた評価が一変します。それは単に、審判アセッサーの評価だけではなく、選手、チーム役員、観客にも信頼をなくしてしまいます。
判定
ゲームの流れの中で審判員が留意するポイント
◇序盤(キックオフ~15分)
- 自分の調子(フィジカル・笛の音・・・)
- 戦術・キープレイヤーの把握
- ファーストファウル(基準を示す)最初のコーナーキック、スローイン
◇ゲーム中盤
- 選手の声、ベンチの声、観客の声(判定とマッチしているか?)
- 動きの修正
- 判定の修正(時と場合により基準を改めて示す)
- キープレイヤー(主力選手、badnessな選手)の把握
◇ゲーム終盤
- 終わらせ方(集中力などメンタル面でのスイッチの切り替え)
- やりきる強い意志
判定で大切な事
- ゲームのレベルにあった判定基準
- ポジショニング(距離・角度)
- 選手の意図を感じる(雰囲気を感じる、また決めつけないことも重要)
- 心理(選手・自身(審判員))
ゲーム評価(反省会でのポイント)自己分析
アセスメントレポートは、自身の振り返りや外から見ていての意見アドバイスなので参考にはなるが、実際はフィールドの中での自分の判断が重要です。
反省会では、いくつかのシーン(ファーストファウル・警告・マネジメント・アドバンテージ・差し違え・退場・PK・ベンチコントロール・・・) を挙げてコメントできると良い。
※シーンの記憶の仕方(時間・場所・NO・色・・・)
5.まとめ PDCAの実践
Plan(計画)
何も考えないでやることはあり得ない。前回の反省アドバイスを活かし考えることが重要。
Do(実行)
チャレンジする。トライする。
ゲーム中でも変化を!
Check(評価)
点数や人の目ばかりを気にしない
謙虚に
アドバイスは素直にもらう
自分の考えは持っておく
Act(改善)
ノートで振り返る
映像で振り返る
自分の時間を作る
これらの繰り返しが、スキルアップにつながる。
最後に
選手・審判・スタッフ・役員・保護者・観客・・、それぞれの人たちの想いに違いはあるかもしれないけど、サッカーに集中できる環境を整える、サッカーを楽しんでもらうことの一役を担っているのは
私たち審判員です。
あくまでも参考とし、自ら考え実践することが必要です。