2022年9月15日(木)第5回レフェリーアカデミー(=RAC)がリモート形式で開催されました。
今回、アカデミー生の講師は、北沢さんです。テーマは「ハンドの反則」です。
講義内容
- 小テスト(競技規則P98~)
- 講義(映像を確認しながら)
- まとめ
- 小テストはアカデミー生の事前準備ができており、10分以内に終了し、良いスタートでした。
- 講義開始。初めにハンドの反則について大切なポイントを確認。
今回のキーワード
- すべてが反則になる訳ではない。
- 手や腕を用いて体を「不自然に大きく」する。
- 手や腕の位置が体を大きくしているかどうかの妥当性を判断しながら判定する。
- 偶発的にボールに触れた直後に得点する(得点者自身/味方競技者)
ファウルと不正行為(第12条)- 直接フリーキック‐ボールを手または腕で扱う
- 競技者の手や腕とボール間で接触があったとしても、そのすべてが反則になる訳ではない。
- 主審は、その状況において競技者のプレーと関連して手や腕の位置が妥当なのかどうかを判断しなければならない。
- 偶発的にボールが手や腕に当たり得点の機会が作りだされただけであったり(当たった直後に得点するのではなく)、偶発的に味方競技者の手や腕に当たって来たボールを得点することは、反則としないこととした。
- ボールが当たった手や腕の妥当性(不自然に体を大きくした/大きくしていない)
「大きなバリア(障壁)」の考え方
「大きなバリア(障壁)」とは:手や腕が体の幅を大きくするような位置にある状況でボールに触れる/当たることによりボールの進行を妨げ、次のような重要な状況に影響をもたらすこと
「大きなバリア」として判断する/される重要な状況とは?
- 相手競技者のシュートをブロックする
- 相手競技者のクロスボールをブロックする
など、守備側競技者がボールまたは相手競技者にチャレンジする、または立ちはだかるとき
「大きなバリア」についての考慮点
- 攻撃側競技者がプレーする(シュートする/クロスボールを入れるなど)前に、守備側競技者の手や腕が既に体から離れていたか(どの位置にあったか)?
- 攻撃側競技者がプレーする前、瞬間またはプレーの直後に、守備側競技者の手や腕がボールまたはボールの進路に向かう動きがあったか?…など
映像を確認
FIFA・IFABの見解を踏まえて
- 競技者はボール/相手競技者にチャレンジしている。
- 相手競技者がシュートする前に、競技者の手や腕は既に体から離れていた。
- 競技者の手や腕は、ほぼその位置に保たれた状態でボールが腕に当たった。
- 競技者の手や腕は妥当な位置と判断されず、「大きなバリア」としてボールの進行を妨げた。
グレーゾーンの事象を判断する上での考慮点
- ボールまたは相手競技者にチャレンジしたか、または立ちはだかっていたか?
- 手や腕が、その状況におけるプレーと関連した妥当な位置にあったか?
- 相手競技者がプレーする前の手や腕はどの位置にあったか?
- 相手競技者がプレーする前、瞬間またはプレーの直後に、手や腕がボールまたはボールの進路に向かう動きがあったか?
- 個々の状況でサッカーが何を求めているか?*審判員としての理解ハンドの反則の判定は主観的な要素が最も多い、だからこそ主審・副審として判断した理由を自分の中で持つこと⇒委ねられた(Refer)審判員として
偶発的にボールに触れた直後に得点する
偶発的に得点者がボールに触れる/当たる-ハンドの反則である
- 得点の直前に、得点者自身の手や腕にボールが偶発的に触れる/当たる
・競技者がボールに触れ/当たり、直接得点する、または直後に自身が得点した場合は
ハンドの反則
・直後と判断されない場合はハンドの反則ではないため「得点は認められる」
・ボールがゴールに入らずゴールラインを越えたならばハンドの反則ではないため、ゴールキックやコーナーキックとなる。ゴールラインを越えない場合はそのままプレーが続けられる
次の状況は反則ではなくなった - 得点の直前に、味方競技者の手や腕にボールが偶発的に触れる/当たる
- 得点の機会を作り出す
映像を確認
まとめ
- すべてハンドの反則ではないことを念頭に判断する。
- 体を不自然にしているや大きなバリアなどの考慮点をふまえ、手や腕の位置が妥当であるかどうか判定する。
- 得点につながるシーンのハンドの反則は、偶発的もふまえて、競技者の状況をかんがみて、判定をする。
受講生の感想
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